SJSについて
SJSとは
「スティーブンス・ジョンソン症候群」(Stevens Johnson Syndrome,略称SJS)は、身体の皮膚と粘膜組織に酷い炎症がおこる反応である。病因は特定の薬物の服用、あるいはウイルス感染である。その多くは薬物による発症であり、適切なケアと治療がなされなければ命を落とす事もある。完治しても、視力の低下や失明などの後遺症が残ることもある。
SJSは全身に紅斑と水泡が急速にできる。
 
SJSに罹りやすい人は
 SJSは爆弾のようなものであり、年齢や民族、季節、性別と関係なく、誰でも罹る可能性がある。体質が違う為、アジア人の方が西洋人より発症率が高く、台湾では毎年約200人のSJS発症が増えている。国民保険局の集計データによると、重篤な皮膚疾患の発生率は都会よりは僻地のほうが高い。それは医療資源や薬物知識の不足、医者もまた薬物を使用する際に慎重でないことからと考えられる(鐘文宏,2010)。
 
 
SJSの症狀
SJSの初期症状は発熱、のどの痛み、目の痛みの出現、ついで粘膜病症である紅斑、水泡、広範囲の表皮剥離の出現となる。表皮剥離面積が全身表面積の10%以下だとSJSと定義され、30%を超えると「中毒性表皮壊死症」(Toxic Epidermal Necrolysis, TEN) と定義される。
SJSは眼、口腔などの粘膜病症を伴い、全身の皮膚に広範囲の紅斑と水泡を発症する。
 
 
SJSの後遺症
ドライアイ、視力低下、失明、一部の患者には腎障害もみられる。また、皮膚に沈殿色素があり、ひどい場合ウイルス感染により、瘢痕組織ができる。
※右の図はTENである。皮膚は熱傷のように、表皮は軽く触るだけで脱落する。(写真は長庚病院薬物アレルギー反応センターウェブサイトより)
 
SJSをよく引き起こす薬物

国内の薬害における薬物トップ3とその適応症
薬名 使用許可の適応症 使用不許可の適応症
Allopurinol 痛風、痛風関節炎、尿酸結石、癌、あるいは化学治療法によって発生した高尿酸血症。 一部の医者は症状のない高尿酸血症、或いは心血管疾患の予防に使用。
Phenytoin 癲癇症状の予防あるいは治療。 心律不正、慢性神経痛。
Carbamaze-pine 癲癇、三叉神經痛、腎原性尿崩症、双極性障害、原発性舌咽神経痛。 末梢神経痛を含む一般の痛み止めに使用。
 
伊甸の支援
SJSは国内で最も致死率の高い薬物アレルギーであるが、そういう認識は数少ない。そのため伊甸基金会は積極的にSJS患者支援センターを創立し、患者のサポートだけでなく、各界で薬物アレルギーの問題を正しく捉えてこれ以上被害者が現れないよう、薬物の安全使用を啓発、周知することを呼びかけている。
SJS 問い合わせ連絡先 ─ 伊甸八德服務中心
住所:10554 臺北市松山區八德路三段155巷4弄35號